英訳「花に逢はん」
"Hana ni Awan" is translated into English

この度、理事長伊波敏男の日本語での著作である「花に逢はん」を英文でホームページで公開することになりました。

私たちは、この翻訳作業を専門家に依頼するために見積りを取ったところ40,000ドルのお金が必要であることが分かりました。私たちにそのようなお金はないため、翻訳ソフトや学生などのボランティアの力を借りて翻訳作業を行いました。

したがって、日本語の著作と異なり、文学的表現にはなっていないかもしれません。

しかし、ハンセン病からの回復者である伊波敏男が、どのように偏見や差別と闘って来たか、また、彼と様々な人々との出会いについて、知っていただくことはできると思います。

私たちは、このような事実を多くの人たちに知ってほしいと考えて、ホームページ上で公開することにしました。

今後は、より優れた翻訳ができるボランティアの力を借りながら、また、読者の皆さんのご指摘を頂きながら、英語の文章の見直しは行っていきます。

    ご指摘はメールでお願いいたします。 ⇒ rainbow.culion@gmail.com

あわせて、この翻訳プロジェクトのための寄付を募っています。

We have decided to publish " Meet the Flowers" by Chairman Toshio Iha, which is written in Japanese, as an English text on our website. When we requested a quote to have this work translated by experts, we found out that it would cost $40,000, which we cannot afford. As a result, we carried out the translation work with the help of volunteer efforts, including translation software and students. Therefore, unlike the Japanese original, the literary expressions may not be fully preserved.

However, we believe that through this, you can learn about Toshio Iha's experiences as a Hansen's disease survivor, his struggles against prejudice and discrimination, as well as his encounters with various individuals. We wanted to share these facts with a wide audience, so we decided to publish it on our website.

Furthermore, in the future, we will continue to revise the English text with the help of volunteers who can provide better translations, as well as taking into account feedback from our readers.

 If you have any suggestions for corrections, please email us. ⇒ rainbow.culion@gmail.com

We are also looking for donations for this translation project.

October 5, 2023

弓場 法 Akira Yuba

人間復権のための旅路

人間復権のための旅路 YouTube 再生リスト

「人間復権のための旅路」シリーズと、「伊波敏男が考えて来たこと」を公開しています。

人間復権のための旅路 YouTube 再生リスト

ポッドキャストでも配信中

「人間復権のための旅路」の制作にあたって

 今回、この番組を企画したきっかけは2020年に始まったコロナウイルスの感染拡大です。
 ハンセン病回復者である理事長の伊波敏男は、現在、沖縄の老人施設に入居していますが、とても元気です。本来であれば、これまで住んでいた長野県等を中心に、講演活動を継続できたはずです。(2000年以降だけでも300回を超える講演をしてきました。)
 しかし、コロナウイルスの感染拡大で、伊波敏男自身が沖縄の施設から外出できなくなり、また、人を集めて対面で講演することが困難となりました。
 そこで、Webを使って、インタビュー形式での動画を制作し、公開することにしました。
 私自身が、伊波敏男の人生に深い関心があったので、幼少期から現在に至るまでを自身の言葉で語ってもらうことにし、同じ理事の長野県同和教育推進協議会の清水稔さんに具体的な企画内容を練り上げてもらいました。
 伊波敏男は、自身の人生を踏まえ、すでに世に「花に逢はん」他何冊かの本を送り出しています。今回のインタビューで語られる内容は、それらの本に書かれていることも多くあります。しかし、文字で表現することと、動画で自身が語ることは、また別の意味があるのだろうと思います。動画の方が優れていること、文字の方が優れていること、両方あると思いますので、動画をご覧になって、より深く知りたいと思った方がいらっしゃれば、「花に逢はん」他伊波の本をお読みいただければ幸甚です。
 伊波敏男の人生は、人々の心の中にある差別や、矛盾した社会制度などとの苦闘の歴史です。しかし、ひとりで闘って来たわけではなく、多くの人たちに支えられてきた歴史でもあります。伊波の想いは、多くの人々の心に根を張ってきました。
 この動画を通じて、伊波敏男の想いが、社会にさらに太く広く根を張ることを願っています。

2021年8月

「クリオン虹の基金」理事・事務局長 弓場法(ゆばあきら)

クリオン虹の基金

NPO法人クリオン虹の基金は、2013年7月28日、伊波敏男に支払われた「ハンセン病療養所入所者等にたいする補償金」によって創設されました。
クリオン虹の基金に賛同をいただき、皆様から寄せられた浄財は、クリオン虹の基金によって受け入れ、フィリピン共和国サンバリ基金財団によって管理され、フィリピン国立大学医学部レイテ分校(SHS)から推薦された、医学医療をはじめ、”人間として人間のお世話をすること”を志すアジアの学生の奨学金として活用されます。

クリオン虹の基金の活動報告については、総会終了後、事業報告、活動計画等を同ホームページ上に掲載します。

基金の設立

日本国のハンセン病者は、病名がハンセン病であるとの理由だけで、不幸にも「強制隔離」という無期懲役刑に処されました。

その法律は「らい予防法」と呼ばれ、判決の大義名分を「公衆衛生」に依拠し、病人たちの罪名は「ハンセン病」、刑期を「終世隔離」とされました。

人が人を辱め、多数者のために病人が棄(す)てられ、そして、その家族までいわれのない「汚名」の下で、人間としての、尊厳まで否定されました。

病人とその家族を絶望まで追いやった「らい予防法」は、ようやく1996年に廃止されました。

日本国は2001年、「らい予防法」に依拠した隔離政策の過ちを認め、ハンセン病罹患者とその遺族に謝罪をし、被害を受けた人たちに賠償することを決定しました。

人は誰でも生まれたときから、存在する意味を持たされます。
そして、誰もが公平で自由な夢を持ち、その実現へ向けて努力します。
しかし、病は時として、多くの苦しみと涙を人に与えます。

不安と肉体的苦痛や社会的挫折が、どのようなものであるかを、自分の身に経験した人々は、痛みや苦しみ、そして、悲しみを知る者です。

だからこそ、自分以外の人には、決して、同じ苦悩を体験させたくないと望んでおり、わたしもそのひとりです。
この基金は伊波敏男に支払われた「ハンセン病療養所入所者等にたいする補償金」によって創設されました。

なお、クリオン虹の基金に賛同をいただき、皆様から寄せられた浄財は、クリオン虹の基金によって受け入れ、フィリピン共和国サンバリ基金財団によって管理されます。

クリオン虹の基金は、フィリピン国立大学医学部レイテ分校(SHS)から推薦された、医学医療をはじめ、”人間として人間のお世話をすること”を志すアジアの学生の奨学金として活用されます。

医学は人間を苦悩と挫折に追いやるものと闘い続けてきました。
クリオン虹の基金から奨学金を受ける者は、何よりも人々の命を愛し、人間を苦しめる病気に立ち向かう勇気と情熱を持つ学生に付与されます。

平成23年10月24日

クリオン虹の基金の仕組み

この基金の目的に賛同する個人・団体から寄せられた浄財は、NPO法人クリオン虹の基金がお預かりし、フィリピン共和国サンバリ財団に送金され、 同財団によって運用管理され、 奨学金や循環型有機農業・水産養殖漁村支援などの費用に充てられます。
奨学生の推薦と学業報告は、フィリピン国立大学レイテ分校から、基金の運用報告は、毎年度8月にサンバリ財団から報告書が届きます。
同報告書に基づく審議は、NPO法人クリオン虹の基金の総会で審議され、承認を受けた後に、長野県に報告されます。また、ホームページ上で公開されます。

クリオン虹の基金の仕組み図

2003年 伊波基金創立
2006年 任意団体伊波基金日本委員会設立
2013年 NPO法人クリオン虹の基金設立

フィリピン国立大学レイテ分校(SHS)

「レイテ分校の学生たちは皆『地域に貢献する』ということを一つの目標として、自分が将来どういう立場で地域や地域医療に関わっていくのかについて、とても務具体的なイメージを持っていた。彼らの医療に対する考えを聞いて医療は、『ただ病院で提供されるもの』ではなく、『地域の人々と共にあり、その中で行われていくもの』だということを感じました。機器・人が不足していて、選択肢が限られている環境の下、レイテ分校の学生は実習で様々な経験を積みながら、積極的に医療行為を行っていた。『思いやりの心をもつて、人が人をみること』と、いう医療の原点を学ぶことができました。 」

2012/08

フィリピン国立大学医学部レイテ分校(SHS)へのお問い合せ先

フィリピン国立大学医学部レイテ分校についてのお問い合わせは、以下にお願いします。

住   所 PhilipInesSevilla St. BaranggayLuntad, Palo,Leyte
電話&fax +63533233114 (事 務 局)
+63535249450 (学部長室)
◉Jusie Lydia J. Siega Sur Rn. Mhped (研修・訪問の連絡先)

階段式保健・医学修学システム

レィテ分校には、生まれ育った町村から推薦を受けた学生達が入学します。学費は自治体や個人・団体・個人からの 奨学金でまかなわれます。学生はまず、助産師資格のコミュニティ・ヘルスワーカーを目指します。月曜日〜木曜日は教室で学び、週の後半はグループ毎に、地域に出かけ、有資格者先輩の指導を受けながら、お産や保健指導、予防接種などのノウハウを実践的に学びます。2年でヘルスワーカーの国家試験を受け、さらに勉強を続けたい学生は、出身地域住民の承認と推薦によって、看護師コースに進みます。その後の保健婦、医師の勉学についても、階段式にステップアップしていくようになります。医師資格を取得するまで、10年近くの勉学期間が必要となります。フィリピン国立大学医学部レイテ分校(SHS)では1976年開校以来、100人を越える医師が育ち、その90%以上がフィリピン起用を国に残り、地域医療を支える役割を果たしています。

(山岡淳一郎/ 論座/ 2007/3)

SHSで学ぶ学生へのメッセージ

これまでの任意団体伊波基金は、より一層の社会的責任を果たす目的を明確にして、2013年8月、NPO法人クリオン虹の基金を設立しました。
この基金は、国の誤った政策によって被害を受けたハンセン病関係者へ賠償金が支払われ、伊波敏男が受けた賠償金によって設立され、2006年から任意団体伊波基金を設立して運営されてきました。この基金はフィリピン国立大学レイテ分(SHS)から推薦され、地域医療を志す学生に奨学金として支給されます。
基金はフィリピン共和国サンバリ財団によって運用管理されます。
これまで任意団体として活動してきた社会的責任を、より明確にするためにNPO法人クリオン虹の基金を設立しました。

A Message to Students Studying at SHS

Iha Foundation (a voluntary group) established the Culion Rainbow Fund (an NPO) in August 2013 to take greater responsibility for society.

In Japan, people suffering from Hansen’s disease were compulsorily segregated from society. It was the equivalent of ‘life imprisonment’. Their demonstrable crime was being victims of Hansen’s disease. It was a requirement under the law designed to prevent the spread of leprosy, legislation that was passed under the euphemistically named public health. The sufferers were not only victims of a hideous disease but also of harsh treatment and prejudice that the law did everything to foster. In other words, they were oppressed under two layers of hardship. Furthermore, they were abandoned by society, deprived of their human rights and dignity, and on top of that, their families were stigmatized and disgraced.
Finally, that iniquitous law was repealed in 1996.
The Japanese government recognized and apologized for the measures taken under this evil law and decided to provide compensation to those who had fallen victim to it.
This fund was established by Toshio Iha, one of the recipients of that compensation scheme, using the compensation money itself as the source of funds. From the money collected, scholarships will be awarded to students recommended by the Leyte Branch of the National University of the Philippines School of Medicine.

Illness brings us pain and tears. The more one suffers, the more one is susceptible to the grief of other people. Those who experience physical pain, spiritual anxiety, and social failure tend to be merciful to others. They are the last ones to allow others to experience pain and tears.
Medical science fights against human suffering and misery. Let’s hope that the students who will receive a scholarship from the Iha fund will be those who are gifted with compassion and have the courage to passionately fight against those illnesses that still cause agony and misery.

Date: June 26, 2011

MENU