6. RUTCHEL DOCENA からの手紙


6. ルチェル R. ドセナ          2018年6月28日
伊波敏男さま
こんにちは!
メールを頂いたのにすぐに返信することができず申訳ありません。去年、伊波さんが二度目の来訪でこちらへいらした時に頂いた名刺を探していたのです。赤ん坊が生まれたらすぐに写真を送るようにと言ってくださいました。昨年6月、伊波さんはレイテへ私の家族を訪ねてくださったのですが、その数日後、私は入院しました。胆汁うっ滞と羊水過少に苦しみ、赤ん坊の命を守るために4日間の補水療法を受けました。35週と6日目になっても兆候がなく、医者は神さまの導きと憐れみにお任せしなさい、と言いました。そして、2017年7月14日、無事に女の子が生まれました。3週間の入院中、赤ん坊はずっと新生児集中治療室にいました。ミルクを吸うことができず、健康状態もすぐれず、様々な困難を乗り越えて、ようやく半年が過ぎとても元気な子どもになりました。神さまに感謝です! そのような訳で、伊波さんにメールを出すのが遅れてしまったのです。
 私たちは幾度も洪水に見舞われ、多くの所有物を流されてしまいました。我が家は川沿いにあるので、5,6時間雨が続くと大抵は浸水してしまいます。私の家族は、勉学を支援してくださった伊波さん、バブさん、その他の方々に感謝しています。多くの者が単純作業や畑仕事しかできない中で、子供の学資を工面することができないのに、私は二つの免許を獲得することができました。陰で支えてくださった方々に報いるべきお金も言葉もございません。貧しい私に、誰も私から奪い去ることができない豊かさを与えてくださいました。伊波さんもバルさんも、自分の家族と思っています。
 マニラにいる妹の勉強を手伝い、看護局の資格試験結果が出ないうちに仕事をはじめます。現在、妹は登録臨床検査技師で、タクロバン市のディヴァインワード(神の言葉)病院で働いています。兄は特殊学級児で、最近5年生になりました。
 出産後、私は我が子にたっぷりの愛情を注ごうと心を決めて、今は専業主婦に甘んじています。以前は保健医療省で看護婦をし、次に地域医療に従事しました。子どもが1歳になる来月には仕事に戻って家計を助けたいと思っています。家主が土地を使いたいと言ってきているので、8月には立ち退かなくてはならず、新しい住まいを探しています。
 勉学については、医学に進むことができませんでした。理由はNMAT(管理者適性試験?)を受ける資格が授業の開始前に期限切れになってしまったからです。しかし、医者になりたいという夢を追い求めています。かけがえのない愛する者がいる今はなお更です。来年の入学を目指し、今年10月の試験を受けるつもりです。神の祝福を祈ります。

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